BOXING CLUBでトレーナーをしている、太田涼介です。
「現役の頃に知識をもっとつけておけば良かった」と先日のコラムで書かせていただきました。
そこで、現役から現在トレーナーになった後も継続している、私なりの勉強方法や過去の失敗談をご紹介できればと思い、今回のコラムを作成しました。
本コラムでは、ボクシングの上達につながる「本や雑誌」「動画」「ボクシングジム」の効果的な活用方法を紹介しています。
ボクシングをされている方にとって、有益な内容になっているはずです。
ぜひお役立てください。
太田涼介(おおた りょうすけ)
・アマチュアボクシング ⇒ 国体・選抜大会出場
・プロボクシング ⇒ 4回戦ボクサー(C級ライセンス)
兄がボクシングをやっていたのと運動不足解消のため、中学3年生でボクシングを始めました!
ボクシングが楽しくなりアマチュアボクシング、プロボクシングを経験。
アマチュアボクシングとプロボクシングの経験を活かして、ボクシングの楽しさを伝えていきたいです!
勉強方法1:本や雑誌
以前、本を買って、1からボクシングを勉強しようと思ったことがあります。
しかし、私は絵と文章だけでは、なかなか内容を理解できませんでした。
もちろん、独学でできる人もいるかもしれませんが、私には難しくてできませんでした。
ただ、ボクシングやボクサーに興味を持つきっかけとして、特に初心者の方が本や雑誌を読むのは良いことだと私は思います。
初心者の方は「ボクシングマガジン」から読んでみることをオススメします。
色んな選手を知ることができて、興味を持てるはずです。
興味を持った選手の試合を見ると、ボクシングの面白さを知ることもできますよ。
勉強方法2:動画(ビデオ、YouTube、AmazonPrimeビデオ)
今はYouTubeがあるので、好きなタイミングでボクシングの試合が見れますよね。
しかし、私が現役の時はまだそういう環境が整っていなかったので、ジムの人からビデオを借りて勉強していました。
皆さんも、好きな選手や好きなボクシングの試合を見て、勉強していくと良いと思います。
★私は、好きなボクサーである井上尚弥選手とドネア選手の過去の試合を見て、共通点を探しながら見るようにしていました。
- パンチを打つ際の体の使い方
- ディフェンスの使い方
- フットワークの使い方
特に上記のポイントに意識を置いて、共通点を探しながら分析していました。
私の場合、ボクシングの試合を見る時は最低でも3回は繰り返し見ています。
といった感じです。
気になる部分などあったら、スローモーションにして見ることもありました。
勉強方法3:ボクシングジム
トレーナーや経験者の方から、ボクシングの経験談を聞いたり、技術を教えてもらったりする方法です。
私はジムの先輩やトレーナーから練習意識、減量方法、メンタルコントロール、ケガの予防方法などを教えてもらいました。
実際に戦ったり経験している人から教えてもらうのが、1番知識をつけられる方法だと思います。
▼知識を得ただけでは上手くなりませんので、それを意識して実践して経験することが大事になってきます。
ジムワーク
シャドー、サンドバックは自主練習だったので、動画で分析した打ち方を実際に試しつつ意識しながらやってました。
見てすぐにできるものではないので、根気が必要です。
もし、練習で上手くできなければ動画を見て再度分析し、また練習をしての繰り返しになります。
原理を知り、理解して打てるようになるまで繰り返すことが大事です。
また、打ち方の修正も必要なのですが、「試合を想定した練習」も重要になってきます。
シャドー、サンドバックをする際は、単なる練習のアップにならないように「試合で使う打ち方、打ち終わりの後」など細かい部分まで意識してやりましょう。
フィジカル
パフォーマンスアップを第一の目的とし、自分に足りない部分を効率良く鍛えることが大切です。
何も考えずに、ただやみくもに筋肉をつけていくことは避けましょう。
私は独学でトレーニングを行った結果、ボクシングに必要ない筋肉をつけて失敗しました。
プロになった当初、パワー負けしたことをきっかけに独学で主に腕や胸の筋肉をつけ過ぎて体が大きくなり、パワーはついたものの体が重くなりスピードが落ちました。
また、筋肉が邪魔で動きづらくもなりました。
ただ大きく強くするのではなく、筋肉を自分の思い通りに動かせるようにして、パフォーマンスを上げることが大事になってきます。
トレーニングの知識や、やり方を勉強する方法ですが、
「YouTubeで紹介されているトレーニングを参考に、実際一度やってみて、自分に合うやり方をみつける」
のが良いと私は思います。
ただ、現在トレーナーのスキルアップと会員さんに専門的な指導を行えるよう、月に1〜2回専門の方から知識とやり方を習いにいって勉強しています。
また、ジム内でも研修を定期的に実施しているため、トレーナーはボクシングに適したトレーニング方法を熟知しています。
やはり専門の方から直接習うのが一番です。
筋力不足を感じている方は、自己流でトレーニングを始めるのではなく、一度トレーナーに相談してみてください。
個々人に合わせたトレーニングを行うことで、効率的にボクシングの技術向上につなげられるでしょう。
メンタル面の強化
私は昔から本番に弱いタイプでした。
練習で負けなくても、本番で負けることが多かったです。
試合で連敗し、1度引退して復帰した経験もあります。
私の場合ですが、メンタル強化のために「練習で積極的に動いて、どんどん失敗を経験する」ことにしました。
試合で緊張しないためにも、積極的に試して練習で失敗するのです。
実践練習で「これ打ったらやられるかも…」と思う時がありますが、正直やってみないとわからないこともでてきます。
やられることを恐れて消極的になると、試合でも消極的なボクシングになって勝負所で勝負ができなくなります。
そこで、積極的に練習で試してみて「やられた時はやられた時を想定した練習」に切り替えれば、試合で打たれたとしても冷静に対応ができるようになります。
普段の練習において、意識的に失敗してもいい環境や時間を作ってあげるといいと思います。
栄養、食事管理
栄養については詳しい人に聞いたり、本やTVをみたりして覚えました。
食事管理についても栄養と同じですが、1番大事なのは色々試して経験することです。
人によって体質や体格、生活リズムなどが違います。
また、減量や筋肉増量など目的によっても、適切な食事が変わってきます。
私の場合は、試合がいつ決まってもいいように、体重調整のために食事管理をしておりました。
特に現役中は、以下の点に気をつけていました。
栄養の知識がしっかりあれば、食事の管理のやり方も変わってくると思います。
ケガの予防、リカバリー
ケガの予防には「テーピングを巻く」などが思い浮かびやすいかもしれません。
しかし、ケガのリスクを下げるためには「練習前のアップ」と「練習後のケア」「オーバーワークをしないこと」が重要だと私は思います。
現役当時は、練習前のアップはシャドーボクシングをしていました。
ただ、トレーナーになってわかったのですが、シャドー前には「動的ストレッチ」をおすすめしたいです。
体を動かしながら行う動的ストレッチは、アップのためだけでなく、ケガの予防とパフォーマンスアップにもつながります。
練習後のケアに関しては、時間をかけてストレッチを行っていました。
ストレッチは、次の日に疲れをなるべく残さないためにもおすすめしたいです。
またストレッチは、その日の練習の振り返りや反省など、頭を整理する時間にも有効でした。
そのほか、体のリカバリーとして最近感じていることがあります。
湯船に浸かると、全然違うなと思います。
現役の頃はシャワーでも特に変わらないと思ってましたが、湯船に浸かると疲れの取れ方が変わります。
あと現役の頃の反省点になるのですが、私はオーバーワークをよくしていました。
オーバーワークは、練習効率の低下やケガのリスクがあってデメリットのほうが多かったように思います。
練習量を上げることだけでなく、ケガの予防や練習効率アップにつながるので、ぜひ練習後のケアのほうにも視野を広げて欲しいです。
コミュニケーション
私は昔から人見知りをするので、正直コミュニケーションをとるのが苦手です。
トレーナーになってから1番苦戦した部分かもしれません。
克服方法として実践しているのは、お笑い番組が好きなので司会進行をしてる人のトークをみて勉強をしています。
お笑い芸人の人は頭の回転が早くて受け答えが面白く、リアクションや相槌はとても勉強になります。
飾らないで素の自分でコミュニケーションをとることを大事にしています。
まとめ
知識があるほうが練習効率も上がり、他の人とも差をつけることができます。
強い人と同じ練習をしたからといって、同じように強くなれるとは限りません。
知識をつけて経験を積み重ねていけば、自分に必要なものが見つかっていきます。
ボクシングだけに限らず、自分のことを深堀りして知っていきましょう。
トレーナーになった現在は、選手の時よりも勉強していると思います。
日々更新していって、自分の知識や経験をわかりやすく伝えられるように勉強しております。
伝えた知識や経験が糧になり、色んな方に今後も引き継がれていったら嬉しいです。