スポーツといえば「筋力トレーニング」をイメージされる方が多いかと思います。
ボクシングにおいても、技術向上のためには、筋肉を鍛えることは必要なのでしょうか?
そこで今回のコラムでは、ボクシングにおける筋トレの重要性を分かりやすく解説していきます。
また、自宅でできる筋トレ方法も紹介していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
なおこちらのコラムは、BOXING CLUB石森飛翔トレーナーに監修していただきました。
石森 飛翔(いしもり つばさ)
︎・高校3年生よりボクシングを開始
・アマチュアボクシング 東京都ランキング3位
・東京都国体強化メンバー
ダイエットトレーナーの経験
・生徒さん平均1ヶ月3kg減
現役で4年間アマチュアボクシングを経験いたしました。
引退後は働きながら副業としてダイエットトレーナーとして活動し、多くの生徒さんの見た目を改善してきました。
【結論】筋トレはボクシング上達に役立つ!
結論から先にお伝えすると、ボクシングを上達させるには、筋トレが重要です。
ボクシングでは、体幹や足腰を支える筋力がないと、体の軸がブレブレになってしまいます。
それでは、相手を倒すような強いパンチや効かせるパンチを打てません。
また、フィジカルが弱くなることで、相手からのパンチに対してもディフェンスが弱くなってしまいます。
なお、パンチを当てないマスボクシングにおいても、筋力不足ではスピードが出ないため、有効なパンチを繰り出すことが難しくなるでしょう。
ボクシングの腕を磨くためには、技術的なトレーニングと合わせて、これから紹介する筋力トレーニングもコツコツ継続することをおすすめしています。
ボクシングの上達にはどこを鍛えたら良い?
ボクシングを上達させるために必要な筋肉は、個人的な意見ですと、おもに以下の3つが挙げられます。
1.体幹の筋肉
ボクシングは、コンタクトスポーツでもありますので、瞬間的に体幹部の筋力を発揮できることが大切です。
よって、体勢が崩れないように体幹を鍛えることが重要となります。
やはり今まで見てきた強い選手達は、体幹がしっかり鍛えられて安定している印象があります。
2.背面の筋肉
おもに広背筋(こうはいきん)をはじめとした、肩甲骨周りの筋肉です。
広背筋とは、骨盤や腰、背中から脇の下あたりにかけて付着している筋肉になります
パンチ力や、パンチのスピードを上げるためにも、背面の筋肉を鍛えることが重要です。
井上尚弥選手を見ても、背中の筋肉が発達して大きいことがわかりますよね。
3.下肢の筋肉
どのスポーツにも言えますが、ボクシングにおいても下半身の筋力は欠かせません。
下半身は体を支える土台にもなりますし、踏み込む力や蹴り込む力がパンチ力の向上にも繋がるため、足腰の筋力を日ごろのトレーニングで鍛えておくことが重要です。
誰でも簡単にできる筋トレメニュー【上半身・体幹編】
それでは、ボクシングの上達に繋がるトレーニング方法をご紹介していきます。
特別な道具を準備する必要はありません。
どれも自宅で簡単にできますので、ぜひ今日から実践してみてください。
体幹(プランク)
- 肘を床につけて膝を浮かせます
- 頭からかかとまでが一直線になるようにします
- この形を覚えておいてください
- 体を脱力した状態から瞬時に3の状態に持っていきます
※体を上げるときに息を吐くようにします
まずは20回を目指して行ってみましょう。
お尻が上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないよう姿勢に気をつけてください。
また、腹圧が高まる(腹筋に力が入っている)ことを意識しながら行うようにしましょう。
イメージが難しいと思いますので、以下の動画をぜひ参考にしてみてください。
こちらのトレーニングを行うことで、瞬間的に体幹を固めるための筋力が鍛えられるため、瞬時に動くボクシングに効果的です。
背面(肩甲骨、背中周りトレーニング)
- うつ伏せ状態から膝を上げます
- 腕を伸ばして親指を上に向けます
- 斜め上、横、斜め下の順で両腕を上に引き上げます
まずは10回ずつを目指しましょう。
詳しいやり方については、以下の動画をご参照ください。
こちらのトレーニングを行うことで、肩甲骨、背中周りの筋肉を鍛えられるため、相手を倒す、効かせるようなパンチ力が身につきます。(マスボクシングにおいては、パンチのスピードアップによってポイントを取りやすくなります)
肩周り(持久トレーニング)
ダンベル(0.5kg〜1kg)を手に持ちながら行うトレーニングになります。
家にダンベルがない場合は、水が入ったペットボトル(500ml)でも可能です。
1種目目
腕を伸ばした状態でクロスさせて上下の運動
(1分間)
2種目目
腕を横に伸ばして大きく回す運動
(1分間)
3種目目
腕を伸ばした状態で細かく上下の運動
下から上にゆっくり動かしていく
(1分間)
こちらのトレーニングも、動画をぜひご参照ください。
とくに、ガードが落ちやすい方におすすめしたいトレーニングです。
誰でも簡単にできる筋トレメニュー【下半身編】
次に、下半身を鍛えるためのトレーニング方法をご紹介していきます。
スクワット
正しいフォームで行うには、次の4点が重要です。
※背筋は伸ばした状態を意識してください。
最初は10回を目標に実施しましょう。
片足スクワット
通常のスクワットがスムーズにできるようになったら、片足スクワットにも挑戦してみましょう。
まずは5回ずつ出来るように目指しましょう。
【要チェック】筋力トレーニングを行う上での注意点
筋トレを行う際は、必ず以下の4点に気をつけるようにしてください。
1.正しいフォームで行うこと
筋トレを行う際に「ただやればいい」「回数をこなせば筋肉がつく」と思いがちですが、実際はそうではありません。
しっかりとしたフォームで行うことで、少ない回数でも効果的に筋肉に効かせられます。
反対にフォームが悪いと、狙った箇所を鍛えられません。
また、体を痛めるリスクもあるため注意が必要です。
2.栄養を摂ること
筋肉を増やすためにも、減らさないためにも、栄養をきちんと摂ることが重要です。
とくに筋力アップには、三大栄養素のうちの1つ「タンパク質」が欠かせません。
タンパク質は筋トレ前、筋トレ後に摂ることをおすすめします。
筋肉の修復がスムーズになり、疲労回復にも繋げられるでしょう。
3.集中して行うこと
筋力トレーニングに集中することはとても大事です。
「どこの筋肉に効いているのか」をしっかり意識することですね。
たまに1セット終えた後に休憩で携帯を見る方もいますが、気づいたら結構時間が経っていたというケースも少なくありません。
そうなると集中力が欠けてきますし、筋力トレーニングの効果も半減してしまうため、ご注意ください。
4.疲労感がある時は無理して行わないこと
これは3にも関連してくるのですが、疲労感があると集中力が欠けてケガをしやすくなります。
もちろんボクシングの練習を終えてから筋トレを行うので、疲労はある状態です。
しかし、日頃の疲れや心身の疲れが目立つ時は、筋力トレーニングは控えることをおすすめします。
まとめ
筋力を鍛えることで、ボクシングの技術向上に繋げられます。
とくにパンチやフットワークで体がぶれやすい方、パンチを打ち続けるスタミナに自信がない方などは、積極的に筋力トレーニングを取り入れていくと良いでしょう。
BOXING CLUBにおいても、練習メニューに筋トレが組み込まれています。
フォームに自信がない方は、トレーナーにみてもらうことがおすすめです。
なお、これからボクシングを始めてみたいという方に向けて、BOXING CLUBでは1日体験を毎日実施しています。
そのほか、何か気になる点がありましたら、ぜひお気軽にお問合せください。