【間違えると逆効果】運動パフォーマンスを上げるための正しいストレッチを紹介!

BOXING CLUBとは

ボクシングに限らず、何か運動をされている方であれば、ケガを防止する目的でストレッチをしている方は多いと思います。
さまざまな種類のストレッチがありますが、間違った方法で行っていると逆にケガの原因に繋がり、効果も半減してしまう可能性があるため注意が必要です。

そこで本コラムでは競技力向上のためのストレッチをテーマに、ストレッチの目的や効果についてボクシングの現役トレーナーが解説していきます。
正しいストレッチのやり方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

なおこちらのコラムは、BOXING CLUB永江良トレーナーに監修していただきました。

永江 良(ながえ まこと)

・2011年全日本ランキング
 ジュニア男子ピン級5位
・2012年全日本ランキング
 ジュニアライトフライ級9位
ボクシングは小学1年生から始め現在までずっと携わってます。
ボクシングはもちろん筋トレも得意分野になります。

【ストレッチの効果】なぜストレッチをするのか?

ストレッチの目的は、もちろん1番は「ケガの防止」のためです。
体が硬い状態では、同じ動きでも筋肉や関節に負担がかかり、ケガのリスクを高めてしまいます。

また、ケガの予防に加えて「最大限の力を発揮させる」という目的もストレッチにはあります。
ストレッチのおもな効果をまとめると、以下のようになります。

  1. 疲労回復(血流の促進)
  2. パワーの向上
  3. コンディショニングチェック

パワーの向上というのは、正確には「加速できる区間が増える」と言えます。
※加速できる区間が増える→ストレッチをして「体を動かしやすくなる(関節の可動域が広がる)」+「筋肉がスムーズに伸び縮みすることで、力が入りやすくなる」というイメージです。

また、毎日ストレッチを行っていると「普段と比べるとなんだか今日は体が重たいな」など、日々の身体の状態を把握できます。
コンディションを体感できると、その日の練習メニューを抑えるなどしてケガの予防に繋げることも可能です。

運動前のストレッチはNGってホント?

一口にストレッチと言っても「静的」と「動的」の2種類に分けられます。

  • 静的ストレッチ:時間をかけて筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチ
  • 動的ストレッチ:関節を動かしながら、体をほぐしていくストレッチ

運動前においては「静的ストレッチ」が良くないと言われています。
確かに筋肉の緊張をほぐして、柔軟性を高めるためには筋肉をじっくり伸ばすストレッチは魅力的です。

しかし、静的ストレッチでは体がリラックス状態になるうえ、筋収縮力が低下することでパフォーマンスにも悪影響を及ぼす場合があります。

一方の動的ストレッチは、体を動かすことで心拍数を上げて血流がよくなります。
体温が上がってくるため、運動に適した体の準備が可能です。

運動前には「動的ストレッチ」、運動後や寝る前にやるのは「静的ストレッチ」が適していると言えます。
※もちろんBOXING CLUBにおいても、運動前には動的ストレッチを取り入れています。

どういったストレッチをやれば良いのか、具体的な方法はこのあと詳しく紹介していきます。

トレーナーが教えるおすすめのストレッチ(ウォーミングアップ用)

運動前におすすめしたい動的ストレッチには、以下のようなものがあります。
無理に伸ばそうとせず、心地よく感じる範囲で行うようにしてください。

ハムストリングス(太もも裏側)のストレッチ

太もも裏側につくハムストリングスを伸ばすストレッチです。
ハムストリングスをやわらかくすることで、股関節や膝の動きが軽やかになります。

  1. リラックスした状態で立ちます
  2. 膝を伸ばしたまま、左足を真上に挙げます
  3. 左足のつま先を右手でタッチします
  4. 左足を下ろして元の位置に戻します
  5. 反対側も同様に行います

上記の要領で2〜5をリズミカルに10回ほど繰り返しましょう。
足を上げる際には、太ももの裏側がしっかり伸びることを意識してください。

臀筋(お尻)のストレッチ

お尻の筋肉である臀筋をほぐすストレッチです。
ハムストリングスと同様、臀筋がやわらかくなると足の動き(フットワーク)が軽くなります。

  1. リラックスした状態で立ちます
  2. 右膝を胸に近づけるように上げます
  3. 両手で右膝を抱え、右側のお尻の筋肉を伸ばします
  4. 4秒ほど伸ばしたら、右足を大きく前に踏み出し片膝立ちの姿勢になります
  5. 右足を元の位置に戻します
  6. 反対側も同様に行います

上記の要領で2〜6をリズミカルに10回ほど繰り返しましょう。
やり方がわからない方は、こちらの動画を参考にしてください。

肩甲骨

肩甲骨を大きく動かすストレッチです。
肩甲骨まわりの筋肉がほぐれると腕を動かしやすくなるため、パンチのスピードやキレが増してきます。

  1. リラックスした状態で立ちます
  2. 右肩の上に右手を、左肩の上に左手を置きます
  3. 2の姿勢のまま、円を描くように肘を後ろにぐるぐると回します
  4. 10回ほど後ろに回したら、同じ要領で肘を前方向に10回ほどぐるぐる回します

肘が後方にいく際は胸を張り、肩甲骨がしっかり内側に寄せられることを意識してください。

ラジオ体操やブラジル体操みたいなダイナミックストレッチ

どなたも一度はやったことがある「ラジオ体操」も動的ストレッチの一つで、ウォーミングアップとしておすすめです。

また、サッカーのウォーミングアップでよく行われている「ブラジル体操」も全身を動かし、体温や心拍数を上げられるため、運動前のストレッチに適しています。

ボクシング前におすすめするダイナミックストレッチを動画で紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

体を大きく動かし、どこの部位を使っているのかを意識しながら行いましょう。
こちらのストレッチでしっかり体を温め、ボクシングの練習に取り組んでみてください。

ワールドグレイテストストレッチ

ワールドグレイテストストレッチは、おもに股関節の可動域を広げるためのストレッチです。
また、上半身も動かしますので、下半身に限らず肩甲骨まわりの柔軟性を高めることも可能です。

ワールドグレイテストストレッチも言葉での説明が難しいため、以下の動画をぜひご参照ください。

プレパレーションストレッチ

プレパレーションストレッチは、全身の筋肉をバランス良く伸ばし、体幹を安定させるストレッチです。
体を動かしながら行うため、プレパレーションストレッチも動的ストレッチに位置付けられるでしょう。

こちらもやり方がいろいろとあるため、こちらの動画をぜひご参照ください。

トレーナーが教えるおすすめストレッチ(運動後、寝る前用)

リラックスしたい時にできる、おすすめの静的ストレッチには次のようなものがあります。
反動はつけず、じっくりと筋肉を伸ばすように意識してください。
呼吸をしながら、15秒3セットが目安となります。

前屈ストレッチ

ハムストリングス(太もも裏側)やふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチになります。

  1. 床に座り、両膝を真っ直ぐ前に伸ばします
  2. つま先に向けて両手を伸ばし、上体を前に倒します
  3. 太もも裏側からふくらはぎにかけての伸びを感じる位置でキープします

スポーツテストなどで行われる「長座体前屈」のイメージです。
上体を前に倒す際は、膝が曲がってしまわないように気をつけましょう。

腰まわりに効く(ツイストストレッチ)

お尻や腰、脇腹あたりの筋肉を伸ばすストレッチになります。
前屈ストレッチと合わせて、腰痛の改善、予防にも効果的です。

  1. 仰向けに寝て、両手を肩の高さで横にひろげます(手のひらは下にします)
  2. 右膝を曲げた状態で、下半身だけ左にひねります(上半身の姿勢はそのままです)
  3. お尻からわき腹の伸びを感じる位置でキープします

片側が終わったら反対側も同様に行い、左右バランスよくストレッチしてください。

腕や肩や背中に効く(アーム・プル、エルボープル)

肩甲骨や胸郭(胸から肋骨あたり)を伸ばせるストレッチです。
パンチを打つ際によく使う、肩まわりの筋肉をゆっくり伸ばしていきましょう。

アーム・プルストレッチの手順は以下のようになります。

  1. 四つ這いの姿勢になります
  2. 膝とお尻の位置は動かさず、ばんざいする形で両手を前方にスライドさせます
  3. いけるところまで両手を前方に伸ばし、肩甲骨や胸まわりの伸びを感じる位置でキープします

続いて、エルボープルストレッチです。

  1. 四つ這いの姿勢になります
  2. 右手を左側にスライドさせ、上体を左にひねります(そのほかの手、足の位置はそのままです)
  3. 右の脇腹あたりの伸びを感じる位置でキープします

片側が終わったら、反対側も同じ要領で行ってください。

疲労回復にはマッサージも効果的!

ストレッチと同様、マッサージも疲労回復に効果を期待できます
ボクシングは、肩、腕、腰、足と全身に疲労が溜まりやすくなっています。

手で疲れた筋肉にほどよい圧をかけながら、コリを優しくほぐしていってください。
※ふくらはぎの緊張をゆるめたい場合、私は足裏からきてると思っているのでゴルフボールを足裏で転がしマッサージしています。

あと場所は限られますが、親指を使いながらほぐします。
もし自分でのマッサージが難しい場合は、整体やマッサージ屋などの専門家に筋肉をほぐしてもらうこともおすすめです。

まとめ

ストレッチは、ケガの早期発見や疲労度の把握につながるので大切です。
ゆっくりと時間をかけて、体の痛みや硬さなど身体の状態を注意しながら行なってみましょう。

こちらで紹介した以外にも、さまざまなストレッチの方法があります。
ジムに通われている方はトレーナーにもぜひ相談してみてください。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました