ボクシングの練習メニューである、ミット打ち・サンドバッグ。
といった要望やお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、ミット打ち・サンドバッグの練習を行う上で意識するべきポイントやコツを解説しています。
初心者の方はもちろん、経験者の方にとっても有益な内容になっていますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
なおこちらのコラムは、BOXING CLUB林崎洋大トレーナーに監修していただきました。
林崎 洋大(はやしざき ひろまさ)
・ボクシング歴(18歳から23〜24歳位まで)
・プロ戦績(7戦5勝1分1敗)
ボクシングは辛いスポーツだと思いますが、やり込むことで新たな楽しさや喜びが出てきます。
また、忍耐力や精神的にも鍛えられるので、ボクシングを通じて、お互いに成長していけたらと思います。
ミット打ち・サンドバッグの効果やメリットについて
まずは、何のためにミット打ち・サンドバッグをするのか、効果やメリットを把握しておきましょう。
ミット打ち
ミット打ちには「予備動作の改善」「距離感、ポジショニングの取得」の2つの効果が期待できます。
トレーナーにミットを持ってもらうことで、パンチやフットワークにおける無駄な動きを改善してもらえます。
また、的となるミットを打つことで「一番力の乗るパンチの距離」や「打つ前、打った後の距離、ポジション取り」の意識の向上にもつながります。
サンドバッグ
サンドバッグに向けて、一つ一つ丁寧なパンチを反復することにより、パンチに必要な筋力アップや、精度を高めることができます。
また、「30秒ラッシュ」「30秒インターバル」などを繰り返しやることで、心肺機能を向上することも可能です。
ミットにもいくつかの種類がある!
一口にミットといっても、「パドルミット」「スティックミット」「ドラムミット」の3つの種類があります。
各々の特徴を理解して、練習でうまく活用していきましょう。
パドルミット
扇型のミットで軽いため、打ち手、持ち手ともに負担が少ないことが特徴です。
力強く打つよりも、「スピードと手数」を意識した打ち方を練習したいときに適しています。
スティックミット
棒状のミットで、打つだけでなくディフェンス練習にも役立ちます。
カウンターや、ディフェンスからの返り打ちなどの練習をしたいときに効果的です。
ドラムミット
ドラムの形をしたミットで、力強いパンチの精度を上げることができます。
また同じパンチでも、角度を変えて力強く打つ練習も可能です。
【重要】ミット打ち・サンドバッグのコツ、意識するべきポイント
それでは、実際にミット打ちやサンドバッグの練習をしていくなかで、意識して欲しい点を解説していきます。
経験者で慣れている方であっても、ぜひ改めてポイントをチェックしてみてください。
ミット打ち
初めのうちは力任せに打たずに、ミット持ちとのタイミングを合わせることを意識しましょう。
打ち手と持ち手のタイミングが合うと、気持ちの良いパンチを打てるようになります。
そしてタイミングを合わせることに慣れてきたら、徐々に力とスピードを上げていきましょう。
その上でもしフォームの崩れを感じた場合は、一度力とスピードをゆるめてあげることにより、インパクトのタイミングを再度体に染み込ませていきます。
また、実践を意識して「ステップインからの打撃」「打ち終わりのバックステップ」などを取り入れてみるのも良いでしょう。
サンドバッグ
サンドバッグは手打ちにならないよう、体の回転を意識して打ってください。
どうしても手で打ってしまうときは、あえてサンドバッグに近寄り、体の回転だけでサンドバッグをノックするようにパンチしてみてください。
徐々にサンドバッグから体を離すと、回転を意識した打ち方を身につけやすくなります。
【補足1】ミット、サンドバッグでは実践を意識しよう!
反復練習でフォームが固まり、自然とパンチやフットワークができるようになりましたら、今度は対戦相手を想定したうえでミットやサンドバッグを打っていきましょう。
そうすることで攻撃オンリーにならず、頭の位置やガード、立ち位置などディフェンスの練習にもなります。
実際の試合では、攻撃のみでは使えないことがほとんどです。
攻守一体、攻守兼備を念頭において練習することが大事です。
また、試合展開のイメージも膨らませてみましょう。
たとえば、「ポイントが拮抗している終盤から判定を意識して手数を出す」などイメージトレーニングができると思います。
サンドバッグ、ミットは所詮想定トレーニングでしかないので、やはりできるだけ本番をイメージ(想定)することが重要になります。
【補足2】スタミナ強化につなげよう
サンドバッグは「精神力の鍛錬」にも活用できます。
今岡代表は、師匠から常々
「練習は疲れてからが本番、それまではウォーミングアップ」
と指導されていたようです。
サンドバッグは、自分との戦いになります。
疲れてやめていたら本当の意味での力(精神力)はつきません。
と強く思われている方は、限界からさらに追い込んでいくトレーニングにもぜひ挑戦してみてください。
ミット打ち・サンドバッグを実施する上での注意点
ミットやサンドバッグ打ちを行う上で、以下の点には十分ご注意ください。
ミット打ちの注意点
ミットは相手があっての練習になるため、タイミングをずらす場合は、持ち手と擦り合わせてから行わないとケガをする原因になります。
タイミングが合わない場合は、軽く打ちながら徐々にペースを上げるとタイミングを合わせやすくなります。
サンドバッグの注意点
サンドバッグは、横揺れさせずに縦に揺れるように打ってください。
サンドバッグを押し込むように打つと、当然横に揺れてしまいます。
また、手首など関節に負担がかかってしまうため、ケガにつながってしまいます。
足腰を固めて、インパクトのタイミングで拳を返す※ように打つと、サンドバッグを芯で捉えやすくなるでしょう。
※ピストルの弾を例に挙げると、弾の螺旋をイメージしていただきたいのですが、螺旋を作ることで貫通力を上げてくれる、このイメージでインパクトのタイミングで縦拳から内に返す形です。
ミット打ち・サンドバッグに関するQ&A
- Qミット打ち・サンドバッグはどれくらいの頻度、時間でやったらいいですか?
- A
日によって多少感覚がズレてしまうので、時間は短くてもできるだけ毎日打つと成果も出やすくなります。
- Qミット打ち、サンドバッグはダイエットに効果ありますか?
- A
しっかり足腰を使い、体を捻る動作を意識しながら打つことで、効果的なシェイプアップにつながります。
- Qミット打ちやサンドバッグで筋肉はつきますか?つくとしたらどこの筋肉がつきますか?
- A
打つときに使う体の部分を意識して練習すると、効果的な筋力アップと伝達神経の向上につながります。
- Qサンドバッグで腕が痛くなるのですが、どうしたら良いですか?
- A
腕に余計な力が入りすぎている可能性があります。
腕の力を抜き、全身をしっかり使う意識をするようにしてください。
まとめ
ここまで、ミット打ちとサンドバッグをテーマに解説していきました。
ただ闇雲にパンチを打つのではなく、各々のメニューの効果をしっかり理解したうえで、正しいやり方で練習していくように気をつけてください。
もし上手くできているか自信がない場合は、トレーナーの方に相談してチェックしてもらうと良いでしょう。
BOXING CLUBでは、ボクシング経験者がしっかり基礎から指導しています。
これからボクシングを始めようか悩まれている方は、1日体験も実施していますので、お気軽にご連絡ください。
それでは、ボクシングの上達に当コラムを役立てていただけたら幸いです。
「試合に勝ちたい!」
「精神力を鍛えたい!」